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Wednesday, September 22, 2004

新庄剛志 サヨナラ満塁ホームラン、のはずがシングルヒット

北海道日本ハムファイターズの新庄は、9月20日に札幌ドームで行われた対ダイエー戦で、9回裏二死満塁で打席に立った。この日の試合では、一時は6点差でリードされていた北海道日本ハムが、一旦は逆転したものの、再逆転され、さらに9回に3点を取って12-12の同点としいてた。そこで、二死満塁で新庄。初球を振り抜き、打球は左翼席へ。劇的なサヨナラ満塁ホームラン! のはずだったのが、さすがは新庄。それだけでは終わらない。何と、一・二塁間で前を走っていた一塁走者の田中幸を追い越してしまいアウト(喜びのあまり新庄と田中幸とが抱き合ったらしい)。一塁には到達していたので記録はシングルヒットとなった。新庄がアウトになる前に三塁ランナーがホームに生還していたため、この得点は認められ、結局13-12で北海道日本ハムが勝利した。

プロ野球選手にとっても、サヨナラ満塁ホームランなんか生涯にそう何度もあるものではないが、新庄の存在は完全にそういう価値観さえ超越している。

ちなみに、スポーツコラムニストの玉木正之氏は、「過剰な無意識」とうまく表現している。
新庄剛志讃江 過剰な無意識より抜粋すると、

 人間は、誰でも、どんなときでも、すぐに考えてしまう。考え込み、悩んでしまう。そこから考えに考えて、解決法を見出し、その解決法によって成功すれば、イチローのような「自意識過剰」な人間になるのだろう。が、新庄は、考えない。悩まない。考える前に、手が動き、身体が動き、口が動く。そして、ホームランを打ったり、敬遠の投球に飛びついてヒットにしたり、とつぜん野球をやめるといいだしたり、アメリカに行くと言ったり、フェラーリを買ったり、売り飛ばしたりする。

うーん、深い。この玉木氏の記事は、2003年12月に掲載されたものであるので言及されていないが、新庄は、2004年夏のオールスターゲームで、オールスター史上初の単独ホームスチールを成功させたりもしている。

今、プロ野球は、合併とか、リーグ再編とか、選手会によるストとかでいろいろともめている。そういったニュースにも興味があるのは確かだが、それはそれとして、やはりグランドの上で見せてくれるプレーに一喜一憂できるのは、スポーツ観戦者としての最大の喜びである。

ところで、パシフィックリーグは今年から(来年も? もしパ・リーグがまだあるならば)、プレーオフ制度を導入しておりレギュラーシーズンで3位のチームまでリーグ優勝の可能性が残されている。今、北海道日本ハムと千葉ロッテとが、まさにその最後のプレーオフ出場枠を得るために、僅差の3位争いをしている。

先週までは千葉ロッテのほうがやや優勢かと思われたが、日本のプロ野球史上初の選手によるストライキが行なわれ、18日(土)と19日(日)のゲームが中止となった。これらストによる中止試合の再試合は行なわれないことになっており、その結果、20日の試合が終わった時点で、北海道日本ハムの残り試合は3、千葉ロッテのそれは1。両チームのゲーム差は0.5で、北海道日本ハムがリード。ストが微妙に影響して、この20日の試合は北海道日本ハムにとっても落とせないゲームとなっていたわけである。

この日の入場者数は4万2千人で、今期最多。地元チームがリードされても帰る客はおらず、9回まで応援していたそうである。やっぱり、経営がしっかりしていれば、フランチャイズ展開によるファンの獲得って可能なんだろうなと再認識した。

新庄剛志に関する本
新庄語録
ドリーミングベイビー / 新庄剛志 著

(c) 2004, zig zag road runner.

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