NTT 光回線に5兆円投資
2004年11月3日の日本経済新聞の記事によると、NTTは、今後6年間で国内固定電話加入者の半分に当たる3000万世帯の通信回線を、光ファイバー回線に切り替えることを決めたとのことである。投資額は6年間で5兆円。NTT東日本、NTT西日本、NTTコミュニケーションズの合計投資額は年間8000億-9000億円であり、その大半が光回線整備にあてられる。
電話の自由化以来、通話料金は一貫して下がる傾向にあったが、NTTにとっては月々の基本料という固定収入は確保されたままであった。ところが、今夏、複数の会社が基本料の安くした電話事業に参入していくことを表明、NTTも対抗上基本料金の下げを発表していた。
このような状況はNTTにとってかなりの打撃になるはずであるが、ここで、NTTは"Change the game"戦略に出て、今後の競争上の優位を確保しようとしているのだと思われる。衰退する一方の固定「電話」事業から回線事業への転換。独占企業であるがゆえの弊害がいろいろと批判の対象になるNTTであるが、その頭の部分の動きは決して遅くはなく、非常にしたたか且つ現実主義的な経営を感じさせる。個人的には、競争相手にも、さらに頑張ってほしいと思う。
知られざる通信戦争の真実 NTT、ソフトバンクの暗闘
日経コミュニケーション編集 (著)
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NTT技術予測研究会 (編集)
(c) bskklog, 2004
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