Nikon D2X (一眼レフデジタルカメラ)
2004年9月1日に、Nikon D2Xという記事の中で、そのときの状況などから「アナウンスがないとユーザは動きがとれない」という趣旨のことを書いた。その時点では、まだD2Xという製品は正式には発表されていなかったのである。
Nikonの人がそれを読んだわけではないだろうが、9月16日に、D2Xが2005年1月に発売されることがアナウンスされた。
主な仕様だけをあげると、
- 有効画素数は、12.4メガピクセル
- 連続撮影は、5コマ/秒
- 「1005分割RGBセンサー」, 「CMOSセンサー」, 「環境光センサー」の3つのセンサーを利用したオートホワイトバランス(AWB)とオートトーンコントロール(ATC)
- 1005分割RGBセンサーを利用した3D-RGBマルチパターン測光II(「II」というのは、従来の測光からさらに進化してると言う意味らしい)
- レリーズタイムラグは、37ミリ秒
- オートフォーカスは、11点測距
- 高速無線LANでの画像転送可能
といったところ。
面白いのは、「クロップ高速機能」。これは、12.4メガピクセルの画素のうち、撮像素子の中央部の6.8メガピクセルのみを使って8コマ/秒の高速撮影が出来るというもの。D1XとD1Hの両機種が発売された当時は、D1Xが高画質追求用、D2Hが高速連写用という感じで役割が分かれていたが、このD2Xを使えば状況に応じてその両方の目的に使えるということになる。しかも、高速連写用といっても、6.8メガピクセルあれば画素数としてはたいていの用途に充分である。また、撮像素子の中央部のみを使うと言うことは、レンズの焦点距離を35mmカメラに換算したときの値がさらに大きくなるということで、少しでも長いレンズがほしいスポーツ撮影にはちょうど向いている。
とり撮りBLOGの記事によると、このクロップ高速機能へのモード変更については、「メニューから行う方法とファンクションキーに割り当ててCropOn/Offを切り替える方法が用意されている」とのこと。
プレスリリースでは、NikonはこのD2Xを「プロフェッショナル向け」と位置付けているが、おそらくプロ(主に報道機関?)だけでなく、多くのアマチュア写真家もこの機種を購入するであろう。
振り返ってみれば、NikonがD1を60万円(メーカー希望小売価格、税別)で出したとき、一般大衆をもターゲットゾーンに含んだ高機能デジタル一眼というマーケットを切り拓いたという意味でその衝撃は非常に大きかったが、その後のD1H, D1X, D2Hと続くヒト桁シリーズは何となくマイナーチェンジっぽい印象は避けられなかった。D2Hなどは、今となって思えばアテネオリンピック用にかなり無理をした製品化だったとさえも思える。対してD2Xは、仕様を見る限りでは、後継機種としてNikonの期待がかかった自信作なのだろう。価格は、今回も60万円(メーカー希望小売価格、税別)。お買い得だと思う。というか、私は買う、多分。
残る問題としてやや心配なのは、本当に1月に出てくるのかということ。現時点(12月21日)で、明確な発売日は決まっていない模様。1月の下旬らしいという噂はあるが。
(c) 2004, zig zag road runner.
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