新選組!
2004年にNHKで放送された大河ドラマ「新選組!」(新撰組)が、DVDで発売される。
言うまでもなく、幕末激動期の京都を舞台に近藤勇(香取慎吾)と土方歳三(山本耕史)が率いる新選組の隊士たちの生き様を描いたドラマである。
近年の大河ドラマの中でも、その話題性などにおいて抜きん出ている。また、脚本家の三谷幸喜が、史実からもある程度自由にストーリーを展開した点はTV放送中から話題になっていた。
徳川幕府が崩壊していく過程と同期しながら、理想に燃える若者武士の集団の葛藤が、見方によっては清々しく、また見方によっては痛々しい。
坂本龍馬(江口洋介)が薩摩と長州の間で新しい時代の到来に向けた信念に基づいて様々な動きを見せていくのに対して、新選組は、不器用とも言っても良い実直さで、これもまた信念に基づいて滅びの美学を見せる。
個人的には、近藤勇および土方歳三のブレーンとして隊を支えてきたにも関わらず、脱走、そして最期を迎える山南敬助(堺雅人)に、最も共感を覚えた。芹沢鴨(佐藤浩市)も良かったが。
DVD-BOXの第壱集は第1話から第27話までを収録、第弐集は第28話から第49話までを収録している。特典映像も含まれるとのこと。
脚本・作: 三谷幸喜
音楽: 服部隆之
テノール独唱: ジョン健ヌッツォ
制作統括: 吉川幸司
演出: 清水一彦、吉川邦夫、伊勢田雅也 他
出演:
香取慎吾、藤原竜也、山本耕史、優香、オダギリジョー、中村勘太郎、
山本太郎、堺 雅人、山口智充、小林 隆、中村獅童、江口洋介、石黒 賢、
佐藤浩市、田端智子、鈴木京香、沢口靖子、野際陽子、田中邦衛、
野田秀樹、伊東四朗、石坂浩二 他
Amazon.co.jpのレビューより;
これまでの新撰組に対する陰惨なイメージとはかなり違ったアプローチが随所に見受けられる。キャスティングも若者の集団だった隊士たちの実年齢的に近いフレッシュな陣容で、主人公が土方でも沖田でもなく、理想に燃える若者としての近藤勇(香取慎吾)であるあたりも新味だ。
近藤勇と坂本龍馬(江口洋介)、桂小五郎(石黒賢)らが一堂に会したりする史実から解き放たれた自由度の高さも、いい意味での大河的ではない魅力となっている。ただ、そういったライトなテイストが、中盤以降で次々と粛清されていく隊士たちの痛切さをより引き立たせているのも事実。
Amazon.co.jpのカスタマー・レビューより;
* 新しい切り口に久々にヒットした作品です。幕末は司馬遼太郎が作った美化された史観が強い中、果敢にも挑んだ三谷さんはこれぞという作品を書いてくれました。史実とは関係ないという批判が多かったらしいですが、後々幕末関係の本を読んでいると実は三谷さんの素晴らしい想像力と裏づけされた資料が存在しているのを知り、実は大河の方が、今まで知られている司馬遼太郎の本よりもより事実であると思っています。
* 三谷幸喜さんの脚本、すばらしいと思います。中には史実と違うじゃないかと憤慨されている方もいらっしゃるとお聞きしましたが、大河ドラマは教科書ではありません。エンターティメントなのです。その点で見れば今回の「新選組!」は間違いなく最高傑作だと思われます。
もともと「賊軍」となってしまった新選組を取り扱うのはNGであったと聞きます。それをはじめとしてさまざまなタブーをいい意味で乗り越えてくれてこの「新選組!」は大河ドラマ史上に残る作品であるといえるでしょう。
* 「新撰組!」では、土方歳三役の山本耕史さんが最大のヒット。現代劇で見ると、なんだか気の弱そうで、頼りなげな感じに見える彼が、袴を穿き、腰に刀をさすと、めちゃくちゃかっこいい武士になる。どう見ても、剣の達人にしか見えない。鬼の副長、そして幕末1のプレイボーイ土方歳三が、完璧にはまっているのだ。
* 大河ドラマどころか時代劇や普通のドラマでさえ滅多に見ないのですが、「三谷幸喜」ということで、毎週見てしまいました。そして、ご存知のとおりの期待を裏切らない出来で、1年間しっかり楽しませていただきました。三谷さんの脚本は言うまでもありませんが、特筆すべきはキャストの素晴らしさでしょう。このキャストのセンスが『新選組』のスタンダードと言っても、もはや過言ではない気がします。もう40才以上の役者が近藤勇を演じることは許されないのではないでしょうか? 私は特に、ところどころに相撲ネタとか、本妻と愛人の鉢合わせとか、「三谷幸喜」らしい話も盛り込まれているところが好きです。
* 一人一人が実に生き生きと、ああ、実際に彼らはこうやって生きたんだろうな。と思えるような感触が確かにあった。史実とは違うところもあったかもしれない。当たり前だ。でも、そんな思いを全て吹っ飛ばすような魅力とエネルギーに溢れていた。オープニングからエンディングまで一度も見逃さず、また見逃してたまるものか!!と感じ5分前からTVの前で正座してみているこの興奮は忘れたくない。忘れてたまるものか。値段は高い。けれども絶対にこの作品は買って永久保存したいです。
* ただの多摩の百姓上がりだった近藤勇と土方歳三が自分の信念と力だけを信じて、それでも迷い、傷つきながら抗いがたい時代の波の中でただひたすらまっすぐに生きた、その壮絶さを三谷さんならではの切り口で描いています。新選組は近藤と土方だけではないことがこれを見てよく分かると思います。名もなき青年達の熱い血潮が自分の中に流れていることに深く感動します。
* ある回はドキュメンタリーであり、別の回はミステリーでもあり、コメディーでもある。ああ大河ドラマってこんな事もできるんだ。こんな事もできちゃうんだと1話毎に色んな楽しみと驚きがあります。全体を見ると1話からの様々な出来事が見事に結実して行く最終回までの構成の見事さにはただただ拍手をおくるばかりです。全て見終わったあと又1話から見たくなる。そんな作品です!
ちなみに、雑誌「ザ・テレビジョン」2005年2月4日号で「第43回ドラマアカデミー賞」が発表されている。
13部門中、6部門(最優秀作品賞を含む)において、「新選組!」が選ばれている。
最優秀作品賞: 「新選組!」
主演男優賞: 香取慎吾
助演男優賞: 山本耕史
脚本賞: 三谷幸喜
キャスティング: 「新選組!」
主題歌賞: 「新選組!」メインテーマ (ジョン健ヌッツォ)
(c) 2005, zig zag road runner.
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