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Sunday, February 06, 2005

Jeff Thomason 建設現場からスーパーボウルへ

第39回スーパーボウルの開催まであと半日程度となった。

様々な記事や、勝敗予測などがインターネット上に溢れかえっているが、面白いのは、フィラデルフィア・イーグルスのタイトエンド ジェフ・トマソン(Jeff Thomason, 1969/12/30生まれの35歳, オレゴン大卒)という選手。

このトマソンは、「プレイオフで敗れた試合に出場して、その次の出場ゲームがスーパーボウル」となるおそらく唯一のNFLプレイヤーであろう。

彼は、10年間のNFL経験と、グリーンベイ・パッカーズの選手として2回のスーパーボウル出場経験を持つものの、フィラデルフィア・イーグルスを最後に2年前には現役引退し、現在は建設会社のプロジェクト・マネージャとしてニュージャージー州チェスターフィールドで働いている。今回は1試合だけの契約でイーグルスのタイトエンドとしてオールテル・スタジアムに姿をあらわす。これまでで彼が最後に出場した試合は、2003年1月のNFCチャンピオンシップゲーム、フィラデルフィア・イーグルスがタンパベイ・バッカニアーズに敗れたゲームであった。

2005年1月23日のNFCチャンピオンシップゲーム、第4クォーター残り3分27秒、イーグルスのタイトエンド チャド・ルイス(Chad Lewis)選手はクォーターバックのドノバン・マクナブ(Donovan McNabb)からこの日2個目のタッチダウンパスを受けたとき、左足を負傷した。そして、この怪我によって故障者リスト入りした。

イーグルスは、翌1月24日、トマソンに電話連絡を取った。ルイス選手の代替として、1試合限りの契約を打診する内容だった。実は最初にトマソンに電話をかけたのは、トマソンの友人でありかつてのチームメートであり、そして故障者リストしているチャド・ルイス本人だった。トマソンは、最初は冗談だろうと思って相手にしなかった。ところが、チームの複数の人間から電話が次々にかかってくるに及んで、彼も、これが真剣なオファーであることを認識した。

建設現場に向かう途中でこの連絡を受けたトマソン選手は、家に戻って支度し、夕方には入団テストを受けた。引退後もトライアスロンのトレーニングで身体を鍛えていたことが、2年間のブランクを多少は埋めたのだろう。また彼は、イーグルスの攻撃システムも、よく理解していた。そしてその日の夜には、最新の分厚いプレイブックを手にしていた。朝10時にチャド・ルイスから電話を受けてからわずか10時間後のことだった。

現在のイーグルス ヘッドコーチのアンディー・リード(Andy Reid)は、トマソンがグリーンベイの選手としてスーパーボウルに出場したときにはアシスタント・コーチを務めていたので彼のことは良く知っている。一方で、トマソンの現在の職場の仲間は、彼がNFL選手だったことさえ知らないという。

今回のスーパーボウル出場のためにトマソン選手は現在勤めている建設会社を辞めるわけではなく、会社から副業の許可を得たうえで2週間の休暇を取り、その間にチーム練習およびゲーム本番をこなす。この2週間でトマソン選手は今年の休暇を使いはたす(それと引き換えに、建設会社社員としての年収より多い金額を2週間で稼ぐのだが)ため、職場に戻ってからはもう休みは取れないとのこと。

イーグルスは、L.J.スミス(L. J. Smith)、マイク・バートラム(Mike Bartrum)に次ぐ、3番目のタイトエンドとしてトマソンをベンチ入りさせる。つまり、バックアップ選手であり、プレイの機会はそれほど多くないはずだが、テレビ画面で背番号85番を探してみたい。

(c) 2005, zig zag road runner.

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Comments

トラックバックありがとうございます。

スーパーボウルまであと少しですね。
チャド・ルイスが出れないことは、本当に残念なんだけど、他の選手の活躍に期待したいです。
素人考えですが、重要な場面でトマソンにパス投げても面白いと思いませんか、なんか油断してフリーになっているような気が・・・
ペイトリオッツに限ってそんなこと無いか。

Posted by: 五城(Gojou) | Sunday, February 06, 2005 18:44

TBありがとうございました。
この話、Eaglesから電話が行く前に、C.Lewisから電話が入ったらしですよ、「推薦しておいたから頼んだ」って。トライアスロンで鍛えていたってところがすごいですよね。
では、今後も宜しくお願いします。

Posted by: Jigen | Tuesday, February 08, 2005 07:08

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