失敗学/畑村洋太郎(Yotaro Hatamura)
失敗学のすすめ 畑村洋太郎・著 |
決定版 失敗学の法則 畑村洋太郎・著 |
強い会社をつくる失敗学 畑村洋太郎・著 |
2005年2月26日(土曜)の日本テレビ系番組「世界一受けたい授業」では、畑村洋太郎教授が、「失敗学」について語っていた。その内容は;
失敗には、良い失敗と悪い失敗がある。
良い失敗とは、チャレンジによって未知との遭遇が出来、そしてその結果としての失敗の原因を究明できるような失敗である。
科学の世界では、良く知られている世界の三大失敗がある。
第1は、米国の吊り橋・タコマ橋の崩落。この橋の崩落から徹底的に学んだことにより、その後の橋は「箱構造」が採用され、その結果として類似の崩落は一切起こっていない。
第2は、第二次世界大戦当時の米国・リバティ船の溶接の不具合。
第3は、ジェット機・コメット号の機体の金属疲労による不具合。
また、2004年10月の新潟県中越地方地震で、新幹線が脱線する事故が起こったが、あれほどの大地震で新幹線乗客らに怪我人が一人も出なかったのは、1995年の阪神淡路大震災の教訓が生かされているから。つまり、阪神では、高速道路の橋脚(橋桁)の破壊により被害が広がった。その後、JRは、橋脚の補強を行なっていたので、新潟の地震では震源地の真上に構築されていた高架線が一切崩れなかった。それにより、比較的軽微な被害で済んだ。
これに対して、悪い失敗とは、無知(知ろうとしないこと)による失敗、不注意による失敗。
成功を喜ぶだけでなく、失敗と上手に付き合うことが重要である。
リーダーは、どのような失敗が起こるかを仮想演習し、その対策を頭の中で考えておくことが必要。
と、まあ、こんな感じで、面白く、かつ実際に役に立つ。
ちなみに、上に書いたタコマ橋の崩落の写真は、The Tacoma Narrows Bridge Disasterのサイトで見ることができる。
なお、特定非営利活動法人 失敗学会のサイトは、http://www.shippai.org/。
「この法人は、市民、企業、行政、教育機関に対して失敗原因の解明および防止に関して教育、会合の主催、コンサルテーション提供、インターネットからの情報発信を通して、経済的打撃を起こしたり、人命に関わったりするような事故・失敗を未然に防ぐ方策を提供することを目的とする。」
Professor Yotaro Hatamura / The Association of Study of Failure
また、科学技術信仰機構による失敗知識データベース構築の事業も、畑村氏が統括しておられる。
詳しくは、http://shippai.jst.go.jp/に記載されている。
なお、畑村氏の著書ではないが、下のような本も、1995年10月26日に出版されている。
Learning from Failure: The Systems Approach Joyce Fortune, Geoff Peters 共著 |
© 2005, zig zag road runner.
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