モーニング娘。 矢口真里の脱退を考えてみる
アイドルグループ「モーニング娘。」でリーダーを務めていた矢口真里が、2005年4月14日に突然脱退することを発表し、同日、脱退した。今後は、ソロとして芸能活動を行うとのこと。そして、後任のリーダーとして、サブリーダーの吉澤ひとみが昇格するとのこと。
公式サイト(http://www.helloproject.com/)に正式な発表分が掲載されている。それによると、
・『モーニング娘。』は多くのファンの皆さんに愛され、支えられて成長してきた〈アイドルグループ〉であること。
・『モーニング娘。』のメンバーには未成年者が含まれ、常に団体行動を行っていること。
・『モーニング娘。』のリーダーとしての自覚。
・22才の一個人としての『矢口真里』の生き方。
などを中心に真剣に話されました。この話し合い中で、『矢口真里』は「アイドル」としての自分のあり方を振り返り、応援して下さっているファンの皆さんへの思いや、自分自身の責任をよく考え、その結果「自分自身の自覚の無さからファンの皆さんを失望させる結果になった。
そして、そのような結果になった以上は「モーニング娘。」のリーダーの資格はないから辞めたいという本人の意向から今回のような結論になったと説明されている。
雑誌「FRIDAY」には、矢口真里が俳優・小栗旬と交際していた事実が、写真とともに掲載されている。写真が撮影されたのが4月10日、雑誌の発売日が4月15日。プロ野球・横浜ベイスターズの投手・佐々木主浩が前夫人と離婚し榎本加奈子と同居していることを「FRIDAY」が報じたときもそうであったが、この雑誌に掲載される記事の対象者は、その発売日の前の日に、何らかの公式発表を行なうことが何故か一種の規範となっているらしい。矢口真里の場合も、発売日前日の4月14日に、実際に脱退しそのことを公式発表した。
未婚の成人男女が交際すること自体、何の問題もない。芸能人においては、それ自体がニュースバリューを持つし、その裏返しとして芸能人はある程度のプライバシーの制限を甘受する。ここまでは一応社会的な了解事項。
では、何故それが、「リーダー」という立場を辞するほどの影響に発展するか? 「アイドル」という記号の意味が、大きな作用を生んでいるようである。その記号の意味および作用は、普遍的なものではなく、ある特殊な文化に依存するものであることは、まず言うまでもない。
その特殊な文化の特徴を、ひとことで表すとすると「幼稚性」だろう。この特徴は、肯定的な意味でも否定的な意味でもなく、事実として、日本の現代文化の大きな要素である。ただ芸能界では、ここ10年~15年ほど、この特徴は薄くなってきていた。
そのような中での今回の騒動は一種の特異点なのだろうか。モーニング娘。が4月16日にコンサートを行なった八王子市民会館(東京都)では、ファンが矢口真里をモーニング娘。に復帰させるための署名運動を行なったそうである。
© 2005, zig zag road runner.
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