アップル・コンピュータが日本で音楽配信
「本質的に情報」である産業は、物理的制約を離れてネットワーク展開で変革用意というのが一般論。
金融は「本質的に情報」であるため、店舗という物理的制約を離れて、ネットワークに展開した。銀行にしても、証券にしても、その産業自体はまったく衰退していないが、リテール向きの「支店」は斜陽分野である。
同様に、音楽は、CDという物理的制約を離れようとしている過程にある。その過程の進行速度は、ブロードバンドネットワークの帯域(bandwidth)の変化と歩調をあわせている。どこかに出ていた統計によると、日本では、ブロードバンドの世帯普及率は現在約20%。機が熟してきた(ビデオ配信が、まだその先にある)。
2005年6月7日の日本経済新聞朝刊によると、米国のアップルコンピュータ(Apple Computer Inc.)が2005年8月上旬に、日本で、インターネットによる有料音楽配信サービスを開始するとのこと。
提供する楽曲数は、50万~100万曲程度の予定とのことで、実現すれば日本国内最大となる。
東芝EMI、コロムビアミュージックエンタテインメント、エイベックス・グループ・ホールディングスなどが楽曲を供給する予定。
ソニー・ミュージックエンタテインメントとは契約条件でまだ合意に至っていない。ソニー・グループとしては、日本ではネットワークウォークマンの売れ行きが好調で、もしかしたらこのあたりの戦略との絡みもあるのか。
価格は、1曲150円というのは気になる。同様のサービスで、アップルは、米国では1曲0.99ドル、英国では0.79ポンドで提供。現在の為替レートでは、日本での価格は、米国よりは高く、英国とほぼ同水準となっている。
© 2005, zig zag road runner.
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Comments
私としては、待ってました!!です。
IPODを買い、絶対にネットで音楽配信される
はずと思い、待ってました。
芸術として音楽を捉えるという意味で、
CDのような形式がなくなることや、
単価の低下によって音楽の質が
全体的に低下してしまう可能性って
あるのでしょうかね~?
Posted by: TAE | Monday, June 13, 2005 21:47
> TAEさん、
音楽の質が「低下」するかどうかはわかりませんが、
質が「変化」することは、あるでしょうね。
より、カジュアルなものになっていくのでしょう。
Posted by: zig zag road runner | Saturday, June 18, 2005 22:06