阪神・下柳が最多勝狙いで延長戦完投
2005年10月5日、阪神タイガースの今季レギュラーシーズン最終戦。既に優勝が決まっている消化試合であるが、地元甲子園球場での横浜戦には、47284人の観客が詰め掛けた。
阪神の先発投手は、現在14勝でハーラーダービートップを狙う下柳。普段は6イニングのノルマを投げ終えるとどんなに好調でもベンチに下がるが、この日は違った。
4回表に横浜に2点を奪われ、0-2。4回裏と6回裏に阪神はそれぞれ1点ずつをあげて、6回終了時点で2-2の同点。ここで降板しては、下柳に白星は回ってこない。
最終戦ということもあり、ノルマ回数を超えて投げ続ける。9回裏(まだ、2-2)、2死で打順が回ってきても、下柳が打席に向かう。そして、10回表を無失点に抑え、この時点で投球数は148。37歳の投手にとっては限界に近い。
その裏の阪神タイガースの攻撃。先頭の赤星がサードゴロに倒れた後、2番の鳥谷が、レフトスタンドにサヨナラソロホームラン(第9号)。6回裏の同点ソロホームラン(第8号)に続く、この日2本目のホームラン。
岡田監督の期待にこたえてレギュラーの座を獲得した鳥谷と、シーズン当初予想以上の勝ち星で貢献した下柳。今シーズンの阪神最後の試合の主役にふさわしい2人だった。
これで、下柳はハーラーダービー単独トップに立つ15勝目を、執念でもぎ取った。
広島カープの黒田投手は、前日(10月4日)の読売戦に先発登板したものの、敗戦投手となって14勝のまま。広島は、あと、10月7日と12日にそれぞれ試合を残しているが、この2ゲームで黒田が2勝をあげる可能性はかなり低いため、下柳は最多勝タイトルをほぼ手中に収めたといえるだろう。規定投球回数(146回)に達せずに最多勝を取れば、1988年以来、17年ぶり2人目のやや珍記録。
ちなみに、146試合終了後の阪神のチーム成績を見てみる(阪神以外のチームについては10月5日ゲーム終了時点の成績)と、
まずチーム防御率が3.24で、セ・リーグ1位、全12球団中では2位。セ・リーグでは横浜が3.73で、他のチームは4点台。
総失点は533で、これもセ・リーグ1位。ちなみに、5位読売と6位広島は、ともに失点が700点代。
チーム打率は「.274」で、これはセ・リーグ3位。
本塁打数は140で、これもセ・リーグ3位。ちなみに、5位読売と6位広島は、ともに本塁打170本超で、本塁打数では1位と2位。
得点は731で、セ・リーグ1位。700点超は現在のところセ・リーグでは阪神のみ。
これらから、ある傾向が確実に読み取れ、それは、2005年的野球においては、大砲(本塁打)に頼るチームはいずれも下位低迷。投手力を含む守備力が重要。中でも阪神は、「JFK」によって「中継ぎ」の役割を変質化。独自の勝ちパターンを確立した。といって、大砲に頼らない阪神が得点力に劣るかというとそうでもなく、リーグ1の得点をあげていた(つまり機動的野球?)ということ。
統計が、語っている。
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原監督誕生!元木引退!阪神下柳最多勝か!? Un diario
⇒ 自身の15勝目が決まった瞬間、下柳は次イニングに備えて着替え中(?)だったらしい
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Comments
はじめまして。
TBどうもありがとうございます。
私はチームでは巨人ファンですが、個人レベルで好きな選手がたくさんいます。下柳選手はその1人。チームでも愛されているんでしょうね。(^^)
Posted by: りつ | Thursday, October 06, 2005 01:30
TBどーもでした。
確かに今年は横浜優勝じの「盛田~佐々木」
西武黄金時代後期の「橋本~杉山~潮崎~鹿取」とかの7回からは磐石の試合運びが多かったよーな。
相手も6回までの試合にしなくちゃならないし・ベタだけど来年・再来年はどーだろ・・・
Posted by: すずか | Thursday, October 06, 2005 23:24