正露丸 vs 正露丸
「正露丸」って、昔はたしか「征露丸」だったとどこかで読んだことがある。
そして「征露」というのが時代的に不適切になってきて「正露丸」って改名したはず。
だから、この「正露丸」というのは特定のメーカーの商品の呼称であって固有名詞だと思っていたのだが、2006年7月27日の大阪地方裁判所の判決では「クレオソートを主剤とする胃腸用丸薬の普通名称で」あると認定されている。
この裁判は、「ラッパのマーク」の正露丸を製造する大幸薬品が、「ひょうたんマーク」の正露丸を製造する和泉薬品工業を不正競争防止法違反で訴えたもの。
「正露丸」という名称が全く同じで、パッケージの色(黄色)とパッケージ正面のデザイン(縁取り模様など)がなんとなく似ている。
私も知らなかったのだが、「昭和三十年代から同じような包装箱で十社以上が製造・販売している」とのこと。これを踏まえて、判決では、「原告商品を識別するのはラッパの図柄。この部分は類似しておらず商品を混同する恐れはない」として、「商品が誤認、混同される恐れはない」ために大幸薬品の訴えを棄却した。
上記の論理構成だとしたら、大幸薬品にとっては、昭和三十年代から半世紀近くにわたって類似品を放置したことの代償は非常に大きいと言わざるを得ない。
主張しない権利は認められないということなのかなぁ。
大幸薬品は控訴するとのこと。
[知的財産]
関連ブログ記事:
あべ力也のひとり言 つれづれ日記 bitter & sweet 海と空をつなぐ青 コバやん
© 2006, zig zag road runner.
The comments to this entry are closed.
Comments