30歳という年齢について - 過去・現在・未来
30歳の頃というのは、つい最近のようにも思えるしすごく昔のことにも思える。大学を出て社会人になってから約8年。会社でいくつかのプロジェクトを経験し、生意気ながら、仕事においても自分の意見を通そうと一所懸命になっていた。そういえば、30歳の頃は、転勤で英国のロンドンに勤務していた。日本で購入したマンションを人に貸したまま、ロンドン郊外で家を借り、生活していた。ロンドンにいたのはほんの数年にすぎないのだが、なぜか今の自分を構成している比率は、それよりも大きいように感じる。その気持ちは、今年、久しぶりにロンドンを訪れて、より確かに認識した。英国および欧州大陸の様々な都市を訪れたことも、多くの国の人々と接する機会を持ったことも、今では財産であると思う。生活様式にしても、食べるものにしても、仕事におけるコミュニケーションにおいても、現地のもの、現地のあり方を積極的に試してみたりした。今の年齢で同じことができるかどうかは、少し自信がない。異文化と触れることによる他人との摩擦あるいは自分の中での摩擦は、当時の30歳前後という年齢であったからこそこなせたようにも思う。
ところで、そのころ考えていたことで、今、形になって残っているものは何だろうか。2つあるように思う。
ひとつは、住む家。ロンドンから一時帰国したときに、東京都内で高いビルのうえに上ってみた。東京の都心部というとビジネス街ばかりだとそれまで思い込んでいたのだが、上から見ると、そうでもないことがわかった。都心の、例えば山手線の駅から少し離れたところには、実は住宅街が広がっており、緑も広がっている。そのときに初めて、都心を住むところとして意識した。前後して、建築家の宮脇檀氏が書いた本なんかも読んだりしていた。帰国後、しばらく賃貸マンションに住んだ後、都心部に家を買った。生活の基盤として、確立している。あのころ、外から見る目で東京の状況を見たことが、今につながっているといえる。
もうひとつは、仕事である。30歳という重要な時期に海外に出ていたことは、住む場所以上に、仕事に対する自分の意識を変えることにつながった。ストレートに進んだわけではないが、いろいろあって、東京に戻ってきてから日本の会社を辞め、外資系に勤め、そしてさらに自分にしかできないと思われる仕事を求めて2回目の転職をして、今にいたっている。そして、これまでのところは、良い結果が出ている。「もしも」を考えることはナンセンスであるとは思うが、それでももしも、30代前半をあのようなエキサイティングな環境で過ごしていなかったら、今の自分がどうなっていたのだろうと、ときどき思うことがある。
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