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Sunday, October 26, 2008

「くりっく365」新システムのスタートは多難?

明日、2008年10月27日(月)に取引所為替証拠金取引(通称:くりっく365)がリニューアルし、新システムがスタートする。

最近のFXブームの中、この新システムの稼動は、長く待ち望まれていた。

しかし、結果的には、最悪のタイミングで新システムのスタートを迎えることになる。

周知の通り、先週後半には為替相場が大荒れ。日本円以外のほぼすべての通貨が急激な大幅安となって週末を迎えている。外貨(円以外)をロングポジションで持っていた投資家の中には、証拠金不足でロスカット強制終了を喰らってしまった人も多いだろう。

新しいシステムでは、様々な機能追加が行なわれるが、何といっても大きな目玉として目論まれていたのが、トルコリラや南アフリカランドなど、いわゆる新興国通貨が「くりっく365」でも取引できるようになること。これらの通貨は、過去数年、高金利通貨としての人気が高く、外貨預金あるいは外債投資の代わりとしてFX取引を行なっていた投資家も少なくない。

しかし、USドルやユーロや英ポンド以上に、これらの新興国通貨こそが、今、急激に下落している。例えば、政策金利16%~17%台で推移していたトルコリラは、2008年8月下旬ではまだ92円台であったのが、10月25日(土)朝(日本時間)の時点では、54円台まで下落。つまり、TRY/JPYレートは、たったの2ヶ月弱で40%以上も下落した計算である。

さらには、あるFX業者(「くりっく365」ではないが)は、顧客に対して次のような趣旨のメールを顧客に対して送付している。
1)TRY(トルコリラ)、ZAR(南アフリカランド)、HKD(香港ドル)、MXN(メキシコペソ)などの新興国通貨の流動性が極めて低下している。
2)10月27日以降、カバー先からのレート配信がなくなり取引不可となる可能性がある。
3)同様に、ロールオーバー不可となり、強制決済される可能性がある。
4)このため、証拠金も引き上げる。大幅な引き上げになる通貨ペアもあり得る。

あっさりと書かれているが、その内容は驚愕に値する。つまり、これらの通貨については、取引システムそのものが機能しなくなる(無くなるに等しい)可能性があると言っている。いくら低レバレッジでポジションを維持しようと思っても、ロールオーバできずに強制決済されてしまう可能性があると言っている(現時点では、あくまで可能性に過ぎないが)。多くの人にとって想定外の事態だろう。

このような中で、くりっく365の新興国通貨取引が無事にスタートできるのか、充分に注意を要することであるし、明日のためにシステム投資をしてきたはずのFX業者が経営的にこの難局をいかに乗り切るのかも、注目すべきだろう。


追記:
更なる情報によると、予定されていた通貨ペアの拡大のうち、一部の通貨ペアの取引は実施除外されているようである。


© 2008, zig zag road runner.

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